お役立ちコラム
テレビCMの時間はどう決まる?尺・放送枠・期間を徹底解説

テレビCMの時間や尺、放送枠、期間は商品やブランドの認知度向上に深く関わる要素です。
本記事では、テレビCMを行う際に押さえておきたい基本的な尺の種類や付随する規制、放送時間帯や期間の考え方などをわかりやすく解説します。
さらに、広告効率を高めるためにはターゲット視聴者のライフスタイルと合わせて放送枠を選定し、適切な尺を見極めることが重要です。
1. テレビCMの時間・尺の基本:15秒?30秒?それとも60秒?
テレビCMの尺は、番組との相性や訴求内容に大きく影響を与えます。まずは代表的な尺と基本的な考え方を確認しましょう。
テレビCMの時間(尺)は主に15秒または30秒が基本で、一部の通販番組や特番広告などでは60秒やそれ以上の場合もあります。短い尺でインパクトを与えるためには、キャッチフレーズやビジュアルを効果的に活用して、瞬時にブランドの魅力を伝える工夫が欠かせません。逆に30秒を使う場合は、ある程度のストーリーや商品特長を丁寧に伝えることができ、内容を深く浸透させたい際に有効です。
一方、60秒以上のロングCMは情報量を多く盛り込むことが可能ですが、出稿コストが高い傾向にあります。放送枠も限られるため、商品やサービスの特性、キャンペーン目的を明確にし、予算や放送戦略に合わせて最適な尺を決める必要があります。
CM尺 | 主な用途・活用シーン | 特徴・訴求内容 | コスト感・メリット |
---|---|---|---|
15秒 | 短い告知・頻度重視のCMに最適。低予算キャンペーンやリマインド目的で多用。 | テレビCMで最も多く利用され、枠を取得しやすい。尺が短い分伝えられる情報は限定的だが、キャッチフレーズや印象的なビジュアルで瞬時に強いインパクトを与えられる。 | コスト低めで制作・放映費を抑えやすい。短尺ゆえ放送回数を増やしやすく、高頻度で露出して視聴者の記憶に残す波状効果を狙える。 |
30秒 | 標準的なCM尺。商品・サービスの訴求ポイントをある程度詳細に伝えたい場合に使用。 | 15秒よりも情報量を増やしやすく、商品の特徴説明や簡潔なストーリー展開が可能。ブランドイメージを訴求するストーリーCMなど、伝えたい情報を丁寧に盛り込める。 | 尺が長くなる分放送枠の購入費用も上昇し、15秒よりコストは高い。ただし最も一般的な長さであり枠も多いため、予算規模に応じた運用がしやすい。 |
60秒以上 | 長編CM。特別なキャンペーンやインフォマーシャル(通販番組的CM)で使用。世界観やストーリー重視のブランデッドCMにも。 | 情報量を豊富に盛り込めるため、エモーショナルな演出や物語でブランドストーリーを伝えられる。新商品の詳細紹介や企業イメージ映像など、十分な尺で訴求可能。 | 放送枠が限られ確保しづらいのが難点。特に視聴率の高いゴールデン帯では放映費が著しく上昇する傾向。制作コストも高くなるため、大型予算の特別枠や通販CMなどで限定的に活用される。 |
1-1. CM総量規制とは?放送枠の上限を理解する
テレビCMが放送される時間には総量規制があり、番組全体に対して一定以上のCM比率が増えないよう定められています。例えば、CMが放送できる量の上限は放送時間全体の約18%などと設定されており、CMの企業数や本数には物理的な制約が存在します。したがって、高需要シーズンには出稿枠の確保が難しくなるため、時期や番組選定によって価格や競争率が大きく左右される点にも注意が必要です。
この規制は視聴者保護の観点からも重要ですが、広告主にとっては放送枠の在庫管理や尺の長短を見極める際に欠かせない知識といえます。15秒や30秒など、主要な尺を中心に出稿するか、それともロングCMで集中的に訴求するか、CM総量規制の存在を踏まえて戦略を組み立てることが効果を高めるポイントです。

2. テレビCMの放送時間帯:全日、ヨの字、コの字、ほかの特徴を比較
朝から深夜までの各時間帯には視聴者のライフスタイルに応じた特徴があります。最適な時間帯を選ぶための基礎知識を解説します。
テレビCMを出稿する際には、どの時間帯に放送するかも大きなポイントとなります。例えば朝帯は通勤前の視聴が多く、ニュースや情報番組を中心に主婦層やビジネスパーソンにリーチしやすい特徴があります。逆にゴールデンタイム(夜19時~22時頃)は家族全員がテレビを観ることが多く、幅広い層にアプローチが可能です。
一方、深夜帯は若年層や特定の趣味をもつ視聴者が多く、マニアックなコンテンツや番組と関連性が高い広告に向いています。さらに、時間帯を通して放送する『全日』や朝・夕方を押さえる『コの字』、夜を中心に狙う『ヨの字』といった放送の組み方もあり、ターゲットに合わせて出稿プランを緻密に組むと費用対効果が期待できます。
2-1. タイムランク(ゴールデン・プライム・深夜など)と視聴者層
ゴールデンタイム(19時~22時)は家族全員が視聴することが多く、視聴率も高い傾向にあります。プライムタイム(19時~23時頃)は総合的にバラエティやドラマなど多彩な番組が組まれやすく、幅広い年齢層へのアプローチが可能です。深夜帯は視聴率は下がるものの、熱心なファンや若年層が特定ジャンルの番組を好んで視聴するため、商品やサービスにマッチした場合、効率的な訴求が期待できます。
朝帯や昼帯は主婦層や高齢者、学生などが視聴する機会が比較的多く、生活情報系や通販番組との親和性も高い時間帯です。タイムランクごとの視聴者層の特色を把握しておくと、広告主の狙うターゲットに応じたアイキャッチやコピーを精度高く設計できるでしょう。
時間帯区分 | 主な視聴者層・属性 | 視聴傾向と適した広告の例 |
---|---|---|
朝帯(早朝~午前) 例: 6~9時台 | 主婦層、ビジネスパーソン(出勤前の社会人) | ニュース・情報番組中心の編成で視聴される。朝食時や通勤準備中にテレビがつけられることが多く、時事性の高い情報と絡めた商品訴求がしやすい。主婦向けの生活情報やビジネスマン向けの時短家電など、朝の習慣にマッチしたCMが効果的。 |
昼帯(正午~夕方) 例: 12~16時台 | 主婦層、高齢者、学生など在宅者 | ワイドショー・通販番組が多く編成される時間帯で、在宅率の高い層にリーチしやすい。家事の合間や通学・通勤が無い層が視聴。健康食品・生活雑貨・通信販売など主婦やシニアを狙った商品のCMに適しており、介護用品など高齢者向け商材はこの時間帯に効果的。 |
ゴールデンタイム(夜19~22時) | ファミリー層全般(子供~高齢者まで幅広い) | 視聴率が最も高い時間帯で、家族全員でテレビを観ることが多い。バラエティ・ドラマ・報道などジャンルも多岐にわたり、老若男女へのアプローチが可能。全国規模の商品やブランドCMに最適だが、その分広告費用も高くなる傾向がある。 |
深夜帯(23時~深夜) | 若年層、特定の趣味層(コアな視聴者) | 視聴者数は少なめだが熱心なファン層が多い時間帯。アニメ・深夜バラエティ・音楽番組などマニアックなコンテンツが中心で、それらに関連するサブカルチャー系商品の広告に向く。例としてゲームソフトや深夜向け飲料(エナジードリンク等)、深夜食の宅配サービスなど、ターゲットを絞ったCMに適している。またアルコール飲料など年齢制限商材のCMは深夜帯に放送されるケースが多い。 |
2-2. 放送時間帯とターゲット視聴者をマッチングさせるコツ
テレビCMにおいては、ターゲットの生活リズムとメディア接触時間を合致させることが大切です。例えば子ども向け商品であれば、朝や週末のアニメ番組枠を狙うのが効果的ですし、高齢者を中心にアピールしたい場合は昼間の情報番組枠がよく視聴される傾向があります。ターゲット層の行動履歴や視聴習慣をリサーチし、最適な時間帯を見極めることがCM効果向上につながります。
また、ゴールデンやプライムなど広告料金が高額になりがちな時間帯だけが必ずしもベストとは限りません。あえて競合が少ない時間帯や特定のジャンル番組を狙うことでコストを抑えながら、より集中して訴求できる可能性もあります。特にスポットCMでは細かく枠を指定できる利点を活かし、ピンポイントで狙ったCM放送を計画してみるのも一つの戦略といえるでしょう。
3. テレビCMの放送期間はどう決める?販促スケジュールと効果の見極め
いつからいつまで放送するかは販促計画や商品の訴求タイミングと密接に関係します。期間の決め方によって到達度合いとコストが変わります。
テレビCMをどのくらいの期間放送するかは、キャンペーンや販促スケジュールと合わせて計画するのが一般的です。新商品やイベントの告知を行う場合は、発売日や開催日に向けて短期集中で広告を流す方法が効果的でしょう。タイムCMの場合は最低でも2クール(約6か月)の長期契約が必要となるケースが多いので、年間の販促計画の中で予算やターゲットとの接触頻度を考慮して期間設定を行う必要があります。
スポットCMであれば1週間や2週間といった短めの期間での集中的な放送も可能で、商品・サービスのキャンペーンやセールを盛り上げたい時に適しています。ただし、放送期間があまりに短すぎると、視聴者にブランドや商品が記憶される前にCMが終わってしまう可能性もあるため、放送期間や回数のバランスを考慮することが重要です。
4. タイムCM・スポットCM・SASとは?出稿形態別に見る特徴と時間の考え方
テレビCMには複数の出稿形態があり、それぞれ特徴と向き不向きがあります。目的や予算に合わせて最適な手法を選ぶことが重要です。
テレビCMを出稿する際には、番組スポンサーとなるタイムCM、指定時間帯に単発でCMを流すスポットCM、そしてCM枠を1本単位で購入できるSAS(Smart Ad Sales)など、さまざまな形態があります。いずれも出稿費用や放送枠の自由度が異なるため、目的に応じて活用方法を使い分けることが大切です。
例えば企業のイメージ戦略や長期的なブランド構築に力を入れるならタイムCMが向いている場合があります。一方、セールやキャンペーンなど短期的な効果重視の場合はスポットCMを活用するのが有効です。SASはより少ない本数で試したい、あるいはピンポイントで特定番組を狙いたい時に選択肢となることがあります。
4-1. タイムCMのメリット・デメリット
タイムCMの最大のメリットは、特定の番組で毎週継続して露出できるため、ブランドイメージを番組内容と結びつけやすい点です。番組が人気であれば企業や商品の認知度がぐんと高まるほか、番組スポンサーとしてのステータスも得られます。しかし、契約期間が長期にわたり費用も高額になりやすいので、予算面のハードルがポイントになります。
また、番組の視聴率が低迷したり、番組内容が視聴者の嗜好から外れた場合には想定した広告効果を得られないリスクも考慮が必要です。企業イメージと番組のイメージをどのようにマッチングさせるか、放送期間が長期に及ぶため検討を綿密に行うことが求められます。
4-2. スポットCMと効率的な放送時間の設定
スポットCMは放送する番組や時間帯をある程度指定できるため、短期集中でリーチを狙いたい場合に適しています。たとえば新商品発売やキャンペーン告知の時期に合わせて集中的にCMを出すことで、限られた予算でも一定の波及効果を狙えます。一方で、特定の人気番組やゴールデンタイムの枠は競争が激しく価格が上昇しやすいので、費用設計をしっかり行うことが大切です。
さらに、細分化された時間帯をピンポイントで狙うことで、ターゲット視聴者にダイレクトにアプローチできるのも利点の一つです。商品やサービスの特性、ターゲット層、競合の動向などあらゆる要素を検討し、スポットCMの放送時間帯を最適化することで費用対効果を高めることが可能になります。
5. まとめ・総括:テレビCMの時間・尺・期間で効果を最大化するポイント
CM効果を最大化するためには、尺や放送時間帯だけでなく放映期間まで含めた総合的なプランニングが不可欠です。最後に注目すべきポイントを振り返ります。
テレビCMの時間(尺)は15秒、30秒、60秒と選択肢があり、訴求内容や予算、番組との相性を考慮して最適な長さを決めるのが鉄則です。また、CM総量規制の関係もあるため、放送枠をどのように確保するかが重要となります。合わせて、朝・昼・ゴールデン・深夜といった時間帯の特徴を理解し、ターゲット視聴者のライフスタイルに近いタイミングを選ぶことが効果を高めるコツです。
さらに、タイムCMやスポットCM、SASなどの出稿形態を見極め、短期キャンペーンに向いているのか、長期的なブランド構築を狙いやすいのかを判断していただくことも大切です。最終的には年間の販促計画や商品特性に合わせて、放送期間の長さやCMを流す回数を調整することで、テレビCM全体の投資対効果を最大化できるはずです。
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